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日本酒の「ひやおろし」と「寒造り」

日本酒には、様々な造り方がある。その造り方によって、それぞれの日本酒の味や風味も違ってくる。それではここで、日本酒の知識を広げるために日本酒の造り方を紹介しておこう。
●ひやおろし
真冬の寒さが厳しい季節に仕込まれ、春先にしぼられる。さらにその後、じっくり寝かせられ、秋(外の温度と蔵に貯蔵されているお酒との温度が同じになる)になると出荷される。
この製法によって、出来立てのお酒独特の荒々しさが無くなり、まろやかな口当たりのお酒に仕上がる。このことから、秋に旬のお酒として楽しまれてきた。このお酒は江戸時代から飲まれているらしい。秋に旬の食べ物と一緒に楽しむとよいだろう。
●寒造り
11月頃~2月頃までの最も酒造りに適しているといわれている寒い季節に酒造りをすること。なぜこの季節が酒つくりに向いているかというと、寒いことで、雑菌が繁殖しにくいためだといわれているからだ。この寒造りが盛んに行われるようになったのも「ひやおろし」と同様、江戸時代であったそうだ。そして、この寒い時期に造られたお酒は当時、「寒酒」と呼ばれていたそうである。
つまり、「寒造り」というお酒は一番よい時期に造られた旬のおいしい日本酒だということを分かっておくとよいだろう。
ところが、現在では蔵中の温度を機械によって調節できるようになってきたため大手の蔵では四季醸造(一年中日本酒を造ること)を行うところが多い。これによって、どの季節でも、同じお酒を同じ味で飲めるようになったのはとても便利なことであるし、またうれしいことである。しかし一方で日本酒好きの人にとっては、日本酒に「旬」というものがなくなってしまうのは、どこか寂しい部分もあるようである。